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心と身体の健康家族が病んだ時に思うこと[2024/10/29]

東京で六つほど歯医者をやっておりますハプラス歯科の木村と申します。今、私は御茶ノ水でコーヒーを飲みながらこの原稿を書いています。投稿は1週間後に予約投稿にしています。このエリアは大学とか大学病院が密集してるので、朝早いんですけれど、すごい人のが目の前を出勤して行きまして皆さんほんとに毎朝お疲れ様です。

今日は父の病について書こうと思います。数ヶ月前から検査で、父はどうも心臓が異常ありということで引っかかっておったのですが、しっかり検査をしてみたところ、これは良くない。すぐに手術をした方が良いということで、ちょうど手術室の空きがあると言うことで、

3日前の精密検査からあれはあれよと、今日心臓の手術と言うことになりました。具体的には心臓の大動脈弁の具合が良くないらしい、人工弁に置換が必要であるとの事。心室の内圧格差が40以上だと手術適用らしいのですが、その段階で80とのことで、いつ突然死してもおかしくはなく、即手術。

治療を受けないと言う選択肢もなければ、セカンドオピニオンを聞きに行く。そんな余裕も時間もないと言うような状況で、

検査の翌日に入院、

その次の日にムンテラ、

そして今日本番の手術、あれはあれよと進みました。

午前中ずっと手術が終わるまですぐ電話に出れるように御茶ノ水におります。

ウェブページのどこかに誰かから借りた言葉で

人は自分や大切な家族が病んだときに健康の大切さを心に痛感するものです、と書いたと思うのですが、

私も自分や両親、心の面ですごく近い人が重い病気になった事は無いので、

この仕事をしているのに本当の意味で今回はじめて健康や、病を治すこと、健康を助ける仕事の大切さと価値がわかったような気がしています。

学びの1つ目は、患者さんとその家族は、本当に心配しているということです。不安だと言うことです。いかに確立された術式、そして一流の病院、と言えど絶対と言う事はなく、今回も手術関連のリスクは1%弱ありということで、確かに数字の上では99%大丈夫で向こう10年は心臓が問題なく機能するだろうと言っても、もし本当にその1%になり、父が亡くなったらどうしようと、不安と言う一言では表せない気持ちになります。そして、この不安は、その手術が終わった時やっと半分は解消し、本当にやってよかったとなるのは、おそらくは数年その治療を使って全然問題なくてよかったですね、となった時なのだと思います。

心臓の人工弁には比べ物になりませんが私も歯科インプラントをよく入れさせてもらうのですが、手術時間は20分程度、たった1立方センチメートル程度の人工物と言えどやっぱり患者さんは相当不安であろうと改めて気づかされます。経過観察や処置中の患者さんとのお話でものすごく質問が多い患者さん、こちらは大丈夫大丈夫そんなに心配することない、ああ次の患者さんかなり待たせてしまっているなぁとなっている時でもその気持ちは当たり前であって、説明してもなかなか改善しないものであって、それでも説明や会話、診察で少しはましになるのであればなるたけ寄り添わないとと気づかされます。

学びの二つ目は、医療機関の、特にドクターの実力、と態度が重要であると言うことです。実力というと言葉は簡単ですが、その錬成は並大抵のことではないのだと思います。これは本当に大きいです。

今回たまたま父は以前にお世話になっていた大学病院にそのままの流れで、心臓もお世話になれました。

同じ仕事の端くれとして見ていると、何から何までがやはりさすがで、不安はあるものの、スタッフから環境まで、これで大丈夫だろうかと不安になる所は1ミリもありません。

私は昨日主治医の先生の手術説明に同席しまして、そこだけは行っておきたく何とか昼の患者さまをスタッフに任せ、クリニックを抜け出しお茶の水向かい、

違和感があったら勇気を出して絶対に止めようとも思っていました。

開胸したほうが確実だろう、20センチほど切ります、生体材料弁を使用した方が良いだろう、人工心肺に接続し、血流を人工心肺に、心臓を止め、人工弁に置換、再び血流を戻し、最小限に輸血もし、閉そう、の術式説明。リスク、予後、やらない選択肢、セカンドオピニオンの選択肢、

15分20分ほどのムンテラの時間でしたが、この人なら大丈夫だろうと、ほぼというか完全に納得して、合計3枚の同意書にサインをしました。言葉の内容というよりは、先生全体に納得していました。たった1つだけ先生に聞いたのは、術中何らかの原因で死んでしまうということが1%ということでいいですね?ということ、先生から「はい実際には30日以内と規定される手術関連死が、実際にはもう少し低く1%弱あると言うことです」。ということ。それも含めて、この先生なら何かあったとしても仕方ないと思った時間でした。私より5くらい上の先生でしたが、父のケースは状況も性格も説明も簡単な患者だったとも思いますが、もっと私も見習わねばならないと思います。説明と同意があっさりになる時も多いのですが、私ももっとあの時間、大切にしようと思います。

今朝は父を見送るまぎわ、病棟に、「私責任者しておるものです~」と優しそうな先生がご挨拶にいらして、多分教授の先生なのですが、よかったですね、圧差80って言うとほんとにやばいんで2000件ぐらい私心臓手術やってるんですけど見たことないです、一緒にやりますんで、麻酔気をつけますねと、安心させてくれます。

そんなこんなで、今ごろ先生方は頑張ってくれていて、父の心臓は止まり、人工弁が入っている頃でしょうか。

無事に退院できて、この文章は皆さまに読んでもらえるはずです。昨日急のことで診察を次回にさせてしまった患者さまがた、申し訳ありませんでした。

木村

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