その他 歯科経営ウクライナ戦争に学ぶ。[2022/05/11]
東京で4つの歯科医院を5月15日より、治療費が少々上がります。申し訳ありません。ご理解下さい。
当院がある程度うまく行ったのは、私が歴史好きで、歴史から学んできたから。その歴史は、ほとんどが戦争の歴史で、実際学んでいて面白いのも日本ですと戦国時代になるし、世界史でも大戦がその大部分の紙面を割いている。そのくらい一気に歴史が動くのも戦争、と言える。残忍でひどいので、できれば早く終わってほしいけど。
ウクライナ・ロシア戦争で、ここまではウクライナの大健闘だと思って見ている。経緯を振り返ると、ロシアは当初のウクライナ電撃侵攻に失敗している。ランチェスターだったか孫子だったかの兵法の中に、戦力差が10倍あれば包囲殲滅せよ、というのがある。ロシアとウクライナの国力、軍事予算規模は10倍とも見られるが開戦当初の作戦ではその10倍を用意できなかった。それなのに北のベラルーシ、東のロシア本国、南の海からと攻め込んだ。多くの報道にあるようにウクライナを甘く見ていたということだろう。
ウクライナ側からしてみれば完成していない包囲網は戦力の分散となるわけで、伸び切った補給線を小型ミサイルで徹底的に叩いて各個撃破し、首都キーウを包囲せんとするロシア軍の方が一時飢えるという事態にまでなった。結果ロシアは首都攻めから一時撤退、戦線の再編成をして今は東側から徐々に攻め入っている。
このように戦術レベルでは、ウクライナは健闘、ロシアを押し返し、将校の5名戦死や旗艦を含む大型艦船の撃沈に見られる戦果も上げて、それを大々的にwebで喧伝し世界からの支援も取り付けている。
しかし戦略レベルではどうか。ロシア側からすれば平地のウクライナはどちらかといえば攻めるに易く、ロシアは守るに堅い。冬を味方にする術も、今後ロシアに有利に働くはず。戦いが長期化すればするほど、自前の資源と国力に勝るロシアがどんどん有利になってゆく。
いつの時代も戦争は、結局は資源の奪い合い。その資源に勝るロシアが自力では有利。本気の陸戦になった時、とりわけ形勢が悪くなってからのロシアも伝統的に強い。もっとも今回はロシアが一方的に攻め込んでいるので、お得意の焦土作戦は見られないはず。それでも核の恐怖も本当に大きいし、既にクラスター爆弾は使うわ、生物兵器使用の疑いはあるわで戦争とはいえモラルなんて無いし、やっぱりロシアは怖い国。こんな国がすぐお隣なわけだから恐ろしい。
過去に何人かのロシアのDrや患者さんと関わったが、やっぱ怖い人が多かったような。いい人もいたけど。
戦いが始まるまでは補給が、戦いが始まってからは将兵の優劣が勝敗を分ける。健闘とはいえずいぶん侵攻されたウクライナ。ここからゼレンスキはじめ、天才と言ってもいいウクライナ指導者たちがどんな手を打つのか。当院も4院の医療法人と言っても弱者の立場。劣勢から工夫で勝たねばならぬ側として、趣味は悪いかもしれないけれど、学ばせてもらっている。目が離せない。
ハプラス歯科 理事長 木村